理事長メッセージ

所 信

2013年度一般社団法人深谷青年会議所 理事長 井田 敦

団結 〜すべては愛する地域(まち)のため〜

はじめに

日本の青年会議所運動は、祖国再建の志に燃えた若者達の手によって1949年に開始されました。ここ深谷の地においても、1964年5月1日、60余名の先輩方によって深谷青年会議所が設立されました。設立以来の諸先輩方の情熱と使命感そして実践が、49年の長きにわたり連綿と積み重なり、あたかも年輪のように深谷青年会議所の精神・伝統・文化を形作ってきました。そして2013年、深谷青年会議所は創立50周年を迎えます。孔子曰く「五十にして天命を知る」とあります。50周年を迎えるに当たり、私達も改めて「天命」を自らに問いかけ、その答えを己の使命感として、さらに深化した運動展開をしていく所存であります。

今を変革するまちづくり

戦後の日本は高度経済成長を遂げ、有形の物質的な豊かさを存分に享受しました。一方で、自然と一体となる価値観、他者を思いやる心、凛とした気心、つまり忠恕といった無形の、人として本当に大切なものをどこかに置き去りにしてきたのではないか、と思います。バブル崩壊後の長引く不況、政治不信、少子高齢化、環境問題、また高度情報化社会の弊害など数多くの問題を抱えるなか、地域社会においてもコミュニティーが失われ、「個」に偏った社会になった結果、犯罪の悪質化、凶悪化や親子間での悲惨な事件等も後を絶ちません。

この状況に対し、「個」に偏った社会は弱く、諸問題に対し「あきらめ」や「他人任せ」が蔓延していると感じます。

まさにそんな時代だからこそ、私達はあきらめや他人任せと決別し、自分自身が変革者であるという気概を胸に団結し、次代の子ども達に誇れるまちづくりに尽力せねばなりません。

今を生きる青年経済人として

利己的な資本主義が行き詰まりを見せる中で、渋澤栄一翁の唱えた「道徳経済合一説」が再評価されています。道徳とビジネスが両立しなければ、持続的な成長はあり得ず、国もまた栄えません。東日本大震災、続く天災、歴史的な円高など、今まさに日本は変革を必要とする国難の時代であります。この時代に生きる青年経済人として、私達は「士魂商才」の心意気を忘れず、公私にわたって「忠恕の道」を率先して行っていきましょう。

日本には世界に誇れる伝統・文化が数多くあります。そして、私達の地域(まち)にも誇れる伝統・文化が沢山あります。様々な伝統・文化を現代の経済活動と融合させた新しい地域(まち)づくりを創造し、普遍的なものとして次代へ引き継いでいく必要があると考えます。

未来を担うひとづくり

子ども達を取り巻く環境は、親子の絆、地域の絆が希薄化し、子ども達は他人を思いやる「豊かな心」を失いかけているように思えます。また、子ども達がネットやゲームの情報の洪水の中で溺れてしまう問題も発生しています。そんな時代を健やかに生き抜いていくためにも「豊かな心」を育むことが肝要であると思います。青少年の健全な育成は私達が掲げる「明るい豊かな未来」を構築していく上では欠かせないものでありますし、メンバーとしてのみならず大人としての使命であります。こうした活動が絶え間なく継続することによって、いつの日か大きな成果を生むのだと私は確信しています。

結びに

私達の置かれた環境は、長引く不況と東日本大震災の影響と決して穏やかなものではありません。様々な個人的な負担はありますが、そこを踏ん張り、地域の発展、公への奉仕の使命の下、まずはメンバーが心ひとつに団結し、迷いを捨て熱い友情と強い使命感をもって「明るい豊かなまちの実現」へ向け邁進せねばなりません。未来を担う子ども達の為にも諸先輩方が築き上げてこられた歴史と伝統を継承し、半世紀後の100周年さえも見据えて、まずはこの一年間ともにJC運動に取り組んでいきましょう。

青年会議所という学び舎が、あなたや私のために何をしてくれるかではなく、
私やあなたが、この地域のため、青年会議所のために何ができるかを問おう。